北上市を中心に全国でも踊られている鬼剣舞。その踊組は、北上市、花巻市、金ヶ崎町、西和賀町、札幌、函館、佐渡、東京、京都にあり、更にブラジルやオーストラリア・ニューヨーク・東南アジアでも踊られ、勇壮で華麗な踊りは、観客を魅了してやみません。

鬼剣舞は、念仏踊りの一種で仮面をつける脱垂剣舞に分類され、先祖や新盆の供養などで踊り、寺社の祭礼にも奉納します。

鬼剣舞の元祖・岩崎鬼剣舞には、江戸時代享保17年(1732年)の秘伝書があり、およそ300年前から藩境の農村で踊られていました。

 旧岩崎村は、鎌倉時代から戦国時代までは和賀氏の支城があった領地で、和賀一族終焉の地でもあり、その様な縁から鬼剣舞の装束には家紋の「笹リンドウ」が記されています。

 

鬼剣舞と言う名称は、明治30年に岩崎鬼剣舞から御免町鬼剣舞へ相伝する契約書に始めてあらわれました。その他明治後期には、相去・滑田、南笹間、煤孫に伝承され、御免町からは北鬼柳、長沼へ、滑田から飯豊、谷地へと伝承が広がって行き、大正・昭和・平成と伝承の輪は広がり続けました。念仏剣舞の多くが昭和初期までに相伝を終えていますが、鬼剣舞のように続いているのは珍しいと言えます。